山本佳奈子 - 20141023 20141204 (ZINE)
¥1,100 (tax in)
SOLD OUT
アジアの現在進行形の音楽や社会と強く関わりをもつ表現を自らの足、目、耳でリサーチ/ウォッチするメディア〈Offshore〉を主宰する山本佳奈子さんが、北京、バンコク、チェンマイ、シンガポール、クアラルンプール、上海、香港を巡った旅行記を編集したもの。街、音楽、食べもの。ローカルに根ざした人々の活動が生々しく浮かび上がってくる内容ですごく面白いです。
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目次
20141023 thu 北京 ー 果てしなく遠い北京
20141025 sat 北京 ー 北京在住メグちゃん
20141027 mon 北京 ー 犬について考えた。
20141030 fri 北京 ー タクシー運転手とのディスコミュニケーション
20141102 sun バンコク ー 酒を求めて
20141109 sun バンコク ー もう少し深いとこ
20141111 tue チェンマイ ー 自慢
20141115 sat シンガポール ー ザイ・クーニンとの邂逅、初めてのシンガポール観光
20141117 mon クアラルンプール ー 迷路のセイカン邸
20141122 sat クアラルンプール ー メガすぎるメガモール・FINDARSでライブを見る
20141123 sun クアラルンプール ー 初々しく
20141124-1125 クアラルンプール・香港 ー 寝込んだ日と、香港旺角Occupyを目の当たりにした日
20141126 wed 香港・上海 ー タクシー哀歌
20141127 thu 上海 ー 上海のノイズシーン
20141201 mon 香港 ー 私が香港を好きな理由
20141204 thu 香港 ー 帰り道
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好評だったzineのリイシュー版をつくりました。
当時、香港では雨傘運動の真っただ中。北京鼓楼付近の再開発前。プミポン国王がまだお元気な頃で、マレーシアのオルタナティブスペースFINDARSはまだ営業していた。
日本に住む私はその後、沖縄へ引っ越し、福建省で1年暮らし、中国語を少し話せるようになり、英語を少し忘れ、地方暮らしの現実を見た。また、あの頃のように「思い立ったら飛行機に乗る」なんてことができない生活に、いつのまにか、なっていた。
"何かを書く"ということに関しても、あれからいろいろな経験をして(したからこそ)、どうしてもドキュメントやインタビューを書くことが苦手になり、フィクションとノンフィクションの合間をいくような書き方を模索しつつ、けれどそちらにうまく振り切ることができない。
過去に自分が書いたものはどうも読み返せず、リイシューするくせに、このzineにみっちり書かれた文章を読めていない。しかし、ところどころの断片をつまみ読むだけで、たった数年のうちにこれだけ世界が変化したことに気づく。それには純粋に驚いた。
となれば、このzineが再度100部発行され世に出るということに、ある程度の価値はあるかもしれない。新しい読者の手に渡り、この数年の世界の変化を感じてもらえれば。このzineに書かれたあの当時の世界は、今と比べてもう少しポジティブな流れだったような気がする。
最後に。「リイシューしよう」なんて決心できたのは、京都にHand Saw Pressというリソグラフのスタジオが出来て、オーナーであり編集者でもある小田晶房さんにちょうどいい感じで背中を押していただいたことによります。非常感谢。
2019年11月23日 山本 佳奈子