ミシェル・ザウナー 著|雨海弘美 訳 - Hマートで泣きながら
¥2,200 (tax in)
四六判/320ページ
発行:集英社クリエイティブ
Japanese Breakfastとして音楽活動するミシェル・ザウナーによる全米ベストセラーとなった自叙伝『Hマートで泣きながら』。韓国系アメリカ人として生まれた彼女が綴る、癌で他界した母親との記憶。喪失感から立ち直れず、途方にくれていた彼女を癒してくれたのは、他でもない韓国料理でしたーー。
オレゴン州にある田舎町で育ったミシェル。母とはお互いに愛を注ぎあいながらも、多感な時期を迎え、音楽家としての夢を歩み始める裏で2人の関係は次第にギクシャクし始めます。衝突、歩み寄りを経ての、癌告知、介護、そして死。タイトルの「Hマート」とは、子供の頃に2人でよく行っていたコリアン・タウンの食料品店の名前。思い出のスーパーマーケットで食材を買い、料理を作るーーそのプロセスを繰り返すことで母との記憶を蘇らせていくのです。
痛いほど正直に書き残されたエピソードの数々に読んでいて涙すると同時に、いいにおいがしてきそうな料理の描写にお腹は嘘をつけず、途中で何度ぐうと鳴ったことか。彼女の大きな転機としてYeah Yeah YeahsのカレンOのことや、Mitskiとのエピソードが出てくるのも胸が熱くなります。
執筆後にリリースされたJapanese Breakfastの最新アルバム『Jubilee』は、とびきりエネルギッシュで祝福感に満ちたものでした。このメモワールを読んでから聴くと、より一層心に刻まれる音楽になるはずです。